「長男の出家」三浦清宏著
ある日曜日、いつも坐禅についてくる息子が父に、僧になりたいと言う。
「お坊さんに頼んでよ。お父さん」と言ったのです。
小学三年生になったばかりのことだった。
中学生になったら、と言っておいて、僧になりたいという希望を息子は忘れるかもしれないとも思っています。
「長男の出家」三浦清宏著
ある日曜日、いつも坐禅についてくる息子が父に、僧になりたいと言う。
「お坊さんに頼んでよ。お父さん」と言ったのです。
小学三年生になったばかりのことだった。
中学生になったら、と言っておいて、僧になりたいという希望を息子は忘れるかもしれないとも思っています。
「長男の出家」三浦清宏著
第98回芥川賞を得た「長男の出家」ほか二篇の短篇がおさめられています。
「長男の出家」という題名が示すように、この小説は長男の良太が、出家して良海になる話なのだが、ここには今の世の中の教育や宗教についての批判の眼が光っていて、飽きさせない。
「ぼく」という語り手の父親が、時にはあわてふためきながらも、妻や息子や娘も含めて、世の中を落ち着いて見ている眼が、読者にも伝わり安堵感になるのだと思います。